2011年8月27日(土) 平和記念公園
(Photo:(財)広島青年会議所)


8月27日、平和公園は「ひろしま市民芸術祭」で賑わいを見せた。
ミニコンサート・パフォーマンス書道に加え、
平和を願う多くの市民の手による「折り鶴モザイク」が「奉納」された。
各地からヒロシマに寄せられる折り鶴は
現保存数量が1億1千万羽・93tにおよび、
その処理は模索中だが、処理前の再活用の一案として、
色鮮やかな折り鶴をタイルに見立てたモザイクの制作が試みられたのだ。
8月7日、なぎさ学園での縦8M×横9Mが2枚の巨大な絵の制作に116名の市民が集った。
画材となる折り鶴は75,000羽分+α。
その束を解き19色に分け、約1m角の台紙154枚に指定色の折り鶴を貼り込む。
猛暑の中4時間に渡って制作したモザイクが体育館全体に広がる様は圧巻で、
全員が心地好い達成感と平和な一体感に包まれた。
8月27日、晴天に恵まれた平和公園でモザイクはさらに色鮮やかに輝いた。
花園と見紛うた蝶が宙を舞い、
平和公園を訪れた人々が笑顔で写真を撮り、
新聞テレビ各社でも報道されて、
平和への想いを新たな形に結実する試みは成功した。
主催の広島青年会議所メンバーの情熱が文化を動かす力となったのだ。
「折り鶴モザイク」は制作の実践を通して、
折り鶴に込められた人々の平和への想いに触れ、
参加者の融和を計り平和希求の意志を発信できるなど、
平和教育としても造形活動としても様々に展開できる可能性が高い。
折り鶴の特性を活かしたデザインと配色率に合わせた折り鶴制作、
ITやAV機器利用、広い会場の確保等で、
さらなる作業効率化と技術的向上もできるだろう。
一度使命を果たした折り鶴を再びはばたかせた我々は、
新たな経験の伝承によって
折り鶴の行方を見守る責任があるかもしれない。
加藤 宇章(かとう・たかふみ)
造形作家。アトリエぱお代表。
広島市立大学非常勤講師。
折り鶴モザイクの原画と下図・色調整・制作監修を担当/
生き物のシンプルな形や人物をテーマとしたテラコッタを制作。